cat walk
細長い通路。
明るい舞台の上以外は奈落の底。
背筋を伸ばし、指先まで神経を尖らし、前だけを見つめて進む。
自分を見つめる視線。一挙一動を確かめる視線。
中央まで進めば、そこで軽やかに回転。
―――― が、足が縺れた。態勢を整えられず、身体が傾く。
(下は奈落・・・・っ!)
踏張っても遅い。
結果、落ちた。
「・・・・・・コラ ―――――― っ!!」
体育教師の怒鳴り声に、わたしはエヘラと苦笑い。
「す、すいません。もっかいやらせて下さい」
「駄目! 評価は2!!」
「そ、そんなぁっ!!」
5段階評価で2。
今学期のわたしの成績は決まった。
終
+あとがき+
半分実話。もちろん、やり直しはさせて貰いました。
隣のコートで男子がバスケの試合をしててさぁ。先生の「**ー!(本名)」という怒鳴り声が響いた時は、恥ずかしかったー。
06.01.08
|