制服
夕方、懐かしい制服を見かけた。ここらであの制服を見るのは珍しい。きっとあの制服の少年は、何かしらの用事で遠出してきたんだろう。
一年前までは、自分も身につけていた制服。
あれからまだ一年。たったの一年。
なのに、こんなにも懐かしくて、仕方がない。
「年くったなぁ・・・・・・」
きっと自分にとって、とても大切な三年間だった。
馬鹿ばかりして、勉強もしないで、悪ぶって早く大人になりたがった。
過ぎてしまえば、こんなにも短くて、懐かしくて、後悔ばかりが押し寄せる。
過去には戻れない。
自分はもう、あの制服は着れない。
例え着れても、もう似合わないだろう。
背広が似合うようになった分、それは遠ざかる。
制服は、何も知らなかった、子供だけに許された証だった。
終
+あとがき+
そもそも一年前って高校生でしょ? ちょっと背広とか、おかしくない?
とか思った方々。充分に言波も理解しております。早めの就職活動だと思ってください。別に何年前でも良かったんだけど、一年前のが、いいかな、と。
05.06.19
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