デジタル



 手首に付けていた腕時計が二時を示した。
「あと一時間でおやつ〜」
「授業中に話し掛けるな」
「せんべぇと羊羹、どっち?」
「羊羹。それよりも授業中に話し掛けてくるな。それとお茶は煎茶で熱いのな」
「りょーかい」
 マッチに手を伸ばして火を付ける。
 しかし今は授業中。つまり、教師がいる。
「お前ら、今は化学の時間だ! 実験に集中しろっ!!」
「お茶の熱さは80℃っすよ、先生!」
「廊下に立っとれ ――― っ!!」
「やれやれ・・・・」
 オイルランプの火を消す二人。
「ま、湯を湧かすのに一時間もいらねーか」
「外で始めるか」
「黒板の前で正座 ――― っ!!!」
「茶の心得があるみたいだぞ、先生は」
「濃い茶だな」
「放課後、職員室まで来いっ!!」
「「はーい」」




+あとがき+

 特に意味のない日常会話。
 教師って、優等生よりも手のかかる生徒の方が何時までも覚えてるんだってよ。

06.05.07

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